活動報告一覧(2020.1〜2020.12)

1/12 水鳥観察会 参加5名 滝湖・只見湖
1/12 定例会 参加6名 水鳥観察会終了後、ひとっぷろまち湯
1/26 新年会 参加9名 ひとっぷろまち湯
2/2 学ぶ会通信vol.14 発行・発送
7/17 幹事会 参加6名 ひとっぷろまち湯
9/18 総会資料発送 参加4名
9/24 越後三山只見国定公園における公園計画見直しの計画素案説明会(福島県生活環境部自然保護課)に参加 参加5名 只見振興センター
11/6 幹事会(学ぶ会カレンダーの打ち合わせ) 参加4名
12/13 学ぶ会カレンダー発送 参加2名

花暦調査 寄岩林道

第1回 4/26 参加6名
第2回 5/23 参加7名〈野鳥観察会を兼ねて〉
第3回 6/14 参加6名
第4回 7/19 参加6名
第5回 8/23 参加7名
第6回 9/13 参加5名
第7回 10/4 参加5名
第8回 11/8 参加3名

〈講演会の中止〉

新型コロナウイルスの影響に伴い、2020年に予定していた下記2つの講演会が中止となりました。状況をみて2021年以降に開催いたします。
■飯塚恒夫さんの講演会「まちづくりは歴史に学び文化を育むことにあり」(4/18)
■福嶋司東京農工大学名誉教授の講演会および懇親会(5月23日)・観察会(5/24)

〈総会の中止〉

同様に6月開催予定であった総会と懇親会を中止しました。

〈発行物〉

学ぶ会通信vol.14 A4判24ページ、オールカラー
学ぶ会カレンダー A5判16ページ、オールカラー

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2020年1月12日

水鳥観察会

滝湖・只見湖 参加5名

滝湖と只見湖の水鳥観察会カウント結果を報告します。
〈滝 湖〉コハクチョウ9羽、オオハクチョウ14羽、ヒドリガモ5羽、マガモ63羽、カルガモ13羽、コガモ2羽、ホシハジロ18羽、キンクロハジロ16羽、ホオジロガモ4羽、カワアイサ20羽 合計10種・164羽
〈只見湖〉オカヨシガモ11羽、ヨシガモ4羽、ヒドリガモ12羽、マガモ284羽、カルガモ201羽、オナガガモ25羽、コガモ141羽、ホシハジロ38羽、キンクロハジロ33羽、ホオジロガモ3羽、カワウ1羽、オオバン196羽、カンムリカイツブリ1羽 合計13種・950羽。
滝湖の水鳥数が過去最低の落ち込み。2011年の洪水後に次ぐ最低の飛来。反対に、只見湖が記録的に多数。なかでもオオバンが圧倒的。マガモも例年以上に多い。オナガガモとヨシガモは過去最高の飛来。ヨシガモの緑色の金属光沢と蓑毛がとってもきれいでした。(新国 勇)

野鳥観察会同行記

「生まれてこれまで、こんなに雪のないのは初めてだ」と、お会いした只見在住齢90のKさんの言うとおり、田んぼにさえ雪が見当たらない。
まず、滝湖に向かいます。車中は周りの雪のなさに驚き、「地球温暖化」が話題になりました。「スウェーデンの少女、グレダさんの主張のとおり、もうこれだけ地球温暖化の証拠があるのに、なにもしないのは怠慢以前だ」「このまま進んだら、あと何年後には破滅的事態かもしれない」窓の外の風景は、その恐怖を覚えさせるものでした。

ハクチョウは寝ている

滝湖に到着して、スノーシェドの手前に駐車して観察。水鳥が少ない。手前には数羽だけで、ずっと先にハクチョウが見えます。ハクチョウの首は羽の中。ここからは種が分かりません。歩いて、近づきます。夏は藪、冬は雪で近寄れないはずのスノーシェドの外側の岸辺に行きました。そのころには、起きだしたハクチョウの首も伸び、オオハクチョウ、コハクチョウが二十数羽観察できました。その他カモが百数十羽。

オオバンやらなにやら

滝湖に移動しました。水鳥がたくさんいます。早速勇さんがカウントして、和子さんが記録します。望遠鏡を手にして10秒。「オオバン160羽」と声が上がります。あまりに早い数え方に「たくさんいるときは団子で数えているのですか」と問うと、「このぐらいの場合は一羽ずつ数える。団子で数えるのは海岸などで千羽以上の場合だけだ」との返事。それにしても早い。
青首、緑首、頭白などなど様々な水鳥を望遠鏡で見させてもらいました。私がやったのは、岸辺に休む水鳥を湖水に追い出す係。

数百の中の1羽

只見湖脇をUターンして、しばらくゆっくり走らせる勇さん。急に止まり「カンムリカイツブリ発見」と車を止めます。
「あの首の長いやつ、見えますか」確かにほかの鳥とは違うシルエットです。くちばしも細い。それにしても数百羽の中の1羽(ほんとに1羽だけ)を運転しながらチラチラ横目で発見するなんて。なんてこった。

反省します

何度も教えてもらった水鳥の名前が右から左に消えてしまいます。勇さんが「いちばんきれいな、好きな鳥です」と、何度も望遠鏡を覗かせてくれたのに、「緑首」でしか残らなかった。反省します。なんでしたっけ。(菅原 孝)

2020年5月30日

伊南川ユビソヤナギ調査

只見町内伊南川流域 参加3名

事務局長、執念のユビソ調査

 伊南川流域のユビソヤナギの自生地調査報告書を刊行して8年が経ちました。これには2011年の大洪水による被害前の自生状況を毎木調査データとともに掲載してあります。また、その後に実施された大規模な河川改修によって激変する前の自生地を報告した貴重な記録ともなっています。
 渡部事務局長は、洪水後も流域のユビソヤナギを継続して調査していました。それは執念ともいえる渡部事務局長のユビソヤナギへの深い思い入れです。そのデータをつかい、災害前のゆたかな自生状況と現在の自生状況を図や写真で比較する報告書をつくろうとしています。
 これをもって、河川環境を守り、河川生態系の保全を関係機関や流域住民に啓発していきたいと思っています。

今回の調査

 今回、昨年の秋に続いて2回目の調査を行いました。参加者は、渡部和子、熊倉彰、新国勇の3名です。1日かけて五月晴れのすかすがしい青空のもと、只見町内の自生地を歩いてきました。自生地の再確認と、直近の変化をつかむことが主な目的です。
 伊南川の左岸を遡り、二軒在家から右岸を下り、調査の後半に訪れたのは、黒谷川の河川敷。
2011年の大洪水とその後なされた大規模な河川改修事業で、ユビソヤナギの大群落はすべて消失、単調な河原になってしまいました。しかしです。ところがどっこい、ユビソヤナギは生き延びていました。河川敷のあちらこちらにユビソヤナギの稚樹が育っています。あたり一帯は、シロヤナギとオノエヤナギが占めていますが、数は多くはないもののユビソヤナギの子どもたちがしっかりと根をおろしています。
「自然はそんなにやわじゃない」というところですが、都市近郊の河川敷ではこんなことはあり得ません。只見町を流れる黒谷川は、環境破壊に敏感でたちまち絶滅してしまうやわなユビソヤナギでも、すぐ再生してしまうほど良好な自然環境を有しているという証拠といえるでしょう。
 いまは更地になってしまった黒谷川河川敷ですが、いつかまた、ユビソヤナギの大群落が育ってくれると確信しています。

 次は黒谷川にかかる黒谷発電所に通じる橋。この橋におおいかぶさるように茂っているのはユビソヤナギ、シロヤナギ、オノエヤナギの3種類です。ですから、ここに来れば、同定のむずかしいヤナギを見比べることができる貴重な現場なのです。 ユビソヤナギを間違わずに見分けたい、あなた。ぜひ、ここユビソヤナギのトンネル橋に行ってみてください。きっと、理解できるはずです。(イサム)


2020年9月24日

越後三山只見国定公園における公園計画見直しの計画素案説明会に参加

只見振興センター 参加5名

 9月24日の夜、只見振興センターで開催された標記説明会に5名で参加しました。昨年に続いて2回目の参加です。
 素案は、既存の越後三山只見国定公園に、只見柳津県立自然公園と只見川の最下流域を追加して10万haを超える公園とするものです。
 新たな開発行為の火種になるのではと警戒していた計画素案は、浅草岳や会津朝日岳登山口の駐車場整備、ただみ・ブナと川のミュージアムとただみの森キャンプ場の整備など既存の施設計画や只見四名山の登山道を整備するという内容でした。過大かつ過重で緊急性も計画性もない新規事業はありません。これでひとまず安心です。
 当会からは、小三本沢流域を第3種特別地域とする計画となっているが、ここは地滑り地という環境から攪乱による生物多様性が高いため、第1種特別地域か第2種特別地域にすべきであると訴えました。また、この下流域一帯、叶津川の右岸を走る国道を境にして国定公園としているが、周辺はユビソヤナギの自生地であることから、境界は叶津川を含めたものにしてほしいと述べました。そして、今回の国定公園の拡大指定においては、該当地域の学術調査はなされておらず、データは50年以上前のものであり、根拠に欠けるので、本格的な調査を行うべきと申し伝えました。
 とにかく、この計画は、「ふくしまグリーン復興構想」という環境省主導による経済第一の地域活性化策を優先したものです。只見柳津県立自然公園が価値ある自然生態系をもつ国定公園レベルにあるという認識を私たちはもっていません。「保護と活用」の両立をはかるといいながら、とどのつまりは「経済優先」なのです。
 最後に、追加対象地域のなかで、もっとも生物多様性が高く、絶滅危惧種も多く、ゆたかな自然環境をもっているのは、只見町しかありません。このことはしっかりと押さえていただきたいと言っておきました。

只見柳津県立自然公園の国定公園への編入に疑念をいだくわけ

 只見川流域が県立公園から国定公園に格上げされれば、知名度が高まって、ブランド力が増し、交流人口の向上に資する……とまあ、字面だけみれば、けっこうなことです。地域の振興にとってはたいせつです。けっして、それに目くじらをたてるつもりはありません。
 ただ、ひとつ気をつけなければならないことがあります。それは無益な公共事業をさせないことです。国定公園の格上げにともなって、各自治体からはあらゆる計画と要望が出されることでしょう。ビジターセンターの建設や遊歩道の設置など、この機に乗じてなんでもあげてきます。ただし、補助率が高いからと飛びついても、維持経費までは面倒をみてもらえません。建設時の一時的な投資効果はあるものの、結局は長続きしないのです。
 これまでにあった、浅草岳の沼ノ平に仮橋や遊歩道を設置したり、ユビソヤナギの自生している伊南川に親水公園を造成しようというような環境保全策も活用計画もない施策がどんどん上がってくることが予想されます。そうなれば、モグラたたきのようなことになってしまいます。
 地域活性化という美名のもと、湯水のように補助金をつかう時代ではありません。これからは、なにが必要でなにを大切にしなければならないかをしっかり見定めていかなければならないのです。(新国 勇)

 

花暦調査 寄岩林道

4月26日 第1回 花暦調査

カモシカの骨 薄曇りのなか、6人の不審者(?)たちが、2時間ほど徘徊しました。
 カタクリは盛りをすぎ、キケマンの花が最盛期です。スミレは、スミレサイシン、オオタチツボスミレ、アオイスミレ、ツボスミレ。キクザキイチリンソウ、ホクリクネコノメソウは見ごろ。ユキツバキもちらほら。
 鳥はウグイス、クロツグミ、メジロなど12種ほど。肌寒いので、まだ本格的な活動期には入っていないようです。
   林道わきの側溝に、たくさんの獣毛と下顎の骨と肩甲骨を発見しました。カモシカのようです。おそらく、なだれで押し流されてきて、側溝にたまったものでしょう(写真)。
 雨模様になってきたので、はやめの昼食を食べて解散となりました。

5月23日 第2回 花暦調査とバードウォッチング

 

 すかすがしい青空のもと、只見川沿いの寄岩林道に7人の精鋭たち(?)が集まりました。
 ヤブのなかをのぞく者、空を見上げる者、それぞれ気のむくまま、のんびり歩をすすめます。ある人は花、またある人は鳥、そしてまたある人は虫と、好奇心と興味を持ち合わせている人なら、これ以上の至福の時間はありません。こんなに楽しめるなんて「わたしたちは、なんという果報者だろう!」と感慨にひたりつつ、只見の自然を満喫しました。
 花は、ケナシヤブデマリが満開。白くて大きな装飾花がみごとです。ミズキやヒロハゴマギ、サワフタギ、クマイチゴもさかり。この時期の木の花はみんな純白の花が多いようです。フジの花は咲き始め。マムシグサも方々に、ニョキッと花を咲かせています。
 鳥は、さすが寄岩、21種を確認できました。カワウ、アオサギ、ホトトギス、カッコウ、ツツドリ、イソシギ、トビ、サシバ、コゲラ、サンショウクイ、チゴモズ、カケス、ヤマガラ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、オオヨシキリ、カワガラス、カワラヒワ、イカル、ホオジロです。サシバはみんなの頭上を飛んでくれ、歓迎してもらいました。帰り道、絶滅危惧種のチゴモズが出現したことは特筆に値します。
 はじめて参加されたM女史は「空から足元まで見るものがありすぎて忙しかった。だけど楽しかった」と話していました。これぞ「センス・オブ・ワンダー」を地でいく行為。この気持ちさえ持ち合わせていれば、どんな状況になろうとも、楽しく元気に生きていける。そう思い至った1日でした。
<p>ヒロハコンロンソウ
 沢沿いの湿気の多い場所に咲いてる純白無垢の植物。広葉崑崙草と書く。
タチシオデ
 タチシオデの花は、まるで緑色をした花火のようだ。花弁も雄しべも6つあって、以前はユリ科だったが、いまはサルトリイバラ科になった。
サカハチチョウ
 サカハチチョウは年2回発生する。これは春型。じっとしてないので、なかなか写真がとれない。

サカハチチョウタチシオデ

シロシタホタルガ
 これはシロシタホタルガの幼虫。サワフタギが食草だという。そのサワフタギの葉っぱにいて、目だったんで間違いないと思う。
サシバ
 サシバは只見では珍しくないタカだが、日本では絶滅危惧のⅡ類に分類されてる。その鳥がふんだんに出てくるんだから、只見の自然は奥が深い。
サシバシロシタホタルガ


7月19日 第4回 花暦調査

 7月になって、こだ天気のいい日はじめてだんねーのっちゅうぐれいの快晴の寄岩林道に、6人のインタープリターたち(?)が集まったずや。
イノシシの荒らした跡 きょうの印象は、まず、イノシシの荒らした跡が目立ったこと、マタタビの実が全部虫瘤だったこと、ヒロハゴマギの真っ赤な果実が珊瑚みでぇに映えでだごどがな。
 まんず、林道のわきや斜面は、イノシシの掘った穴でボコボコ。それも機械で掘ったんでねーのっちゅうぐれえでっかくて深い。水のたまっていっとごは、泥浴びするヌタ場だど思う。ところどころに蹄の跡がある。これがら、まっとまっと増えていぐであんめーが。
 ここにはマタタビがたくさんある。先月は花真っ盛りだったども、きょうは虫瘤になった果実が房なりしてだっけ。これを木天蓼(もくてんりょう)どって漢方ではたいした重宝する。強壮剤だっちゅうごんだ。ここでは、まっとうな果実はひとつもなくて、全部が虫瘤。みごとだな。
タケニグササカハチチョウ 5月の花暦調査では、サカハチチョウの春型を紹介したども、きょうのは夏型。1年で春と夏、装いを替えて2回発生するんだど。翅の面は「逆八」の模様がはっきり分がんだども、翅の裏のデザインもすんばらしい!
 タケニグサも花ざかり。只見ではキンカグサどっちゅう。キンカどは難聴者のごんで、この草のそばを通っど、キンカになるどって言いした。花は下から咲きのぼる。白い鞘が破れっと、もじゃもじゃのおしべがからまった毛糸のようにでてくる。下に赤っぽい紡錘型のあながあんが、これが果実になっていく。
 木陰での弁当タイム中、キセキレイの雌がご訪問。水辺でのんびり餌取りしてだっけ。
 弁当食いの終わるころ、こんだは2羽のサシバがお出まし。オラだちのうえを輪を描いて歓迎してもらったぞや。
サシバキセキレイの雌


8月23日 第5回 花暦調査

ゆたじーの孫娘も参加 寄岩の花暦調査は、きょうも快晴。今回はゆたじーの愛孫、千文ちゃん(2歳)が参加。とってもかわいーかったぞや。
 30コぐれぇ実をつけたミツバアケビ。まだ、熟していねえども、みごとな成り方だべや(写真左上)。
 キツリフネは数は多くはねえども、気品があんな(写真左中)。
 カラハナソウというと、あのホップのような実をつけるツル植物。しかし、これはカラハナソウの雄株で、あの独特の実はなんねえずや。寄岩林道は雄株の花ばっかり目立ったな。雌株はどごさ生えでんだべな。(写真右上)
 なんぼ暑っちゃくても、植物が実をつけるようになれば、季節は秋だあ。これは田植えが終わったころ、道路わきや山すそに繁茂するセーキの実。円盤状になっていて、風に飛ばさっちぇいぐ。ちなみにセーキはオオハナウドの只見方言だぞや(写真左下)。
 オラは虫はダメだども、アーキラさんによれば、コミスジだっちゅう。小三筋っちゅうごんだべな。三本の白い筋が目立つ。いっぺぇ飛んでいだっけ(写真右下)。
ミツバアケビの果実・キツリフネ・カラハナソウの雄株・オオハナウドの種子・コミスジ


10月4日 第7回 花暦調査

 きょうの花暦調査は、くもりのち快晴で快適。寄岩林道は、秋の花が咲き誇って面白っしぇがったぞや。 ノギク(ノコンギクとユウガギク)、キツリフネ、ハナタデ、タイリンヤマハッカ、クロバナヒキオコシなどなど。秋の花はいーな。
 だが、とっばじめから花ずらねえ、みんなでヤマノイモのムカゴ採り。いづまでもやめねえあんだも。今夜の酒の肴にはいいべな(写真上左)。
 イシミカワの果実。葉っぱも実も独特だべ(写真上中)。
 ナンブアザミの花。林縁に繁茂する野趣たっぷりのアザミだぁ。背丈より高けえぞや。なだれ地のようなどごさ、好んで生える。(写真上右)
 これ、なんだか、わがいやっかい? 芋虫みでえだども、ツリフネソウの実がはじけたあとだずや。ヒョウタンみでえな果実さ触れっど、パチンてはじけで、種を飛ばすんだで。学名はインパチエンス。意味は「短気」「気短か」だずや(写真下左)。
 出だ、出だ! エゾビタキ! 旅鳥だもんで、春と秋にしか見らんにぇ。チィー、チィーどって鳴いでんがなを、シジュウカラだど思っでだら、なんとこの鳥だっけ。見る機会の少ねえあんだ。きょうはこの鳥1羽で大満足!(写真下右)


11月8日 第8回 花暦調査

 寄岩の最後になる花暦調査は、くもり空のもと、ゆたじー一家とオラの4名でやってきぞや。
 さすがに咲いでる花はセイタカアワダチソウとノコンギクしかながっけども、いきおいさかんな草木が枯れだがんで、いままで目につかながった植物をじっくり見らっちぇよがったずや。
 きょうは、ほとんどの草木が枯れでだがんで、シダ植物の観察にはもってこい。
 これはジュウモンジシダっちゅうシダ植物。全体が「十」っちゅう漢字に見えっぺや。暗くてじめじめした場所さ、群生してんぞや。
 シダ植物のヤブヤマソテツとコタニワタリ。真ん中のでっかいあながヤブヤマソテツ。左下の長えベロ(舌)のようなあながコタニワタリ。
 次はサイハイラン。数株を確認しただけだったども、あたりが枯れ上がっちもーど、けっこうあるもんだ。ここは群落をつくってだっけ。
 春と夏はほかの植物におおわっちぇ見えなぐなっちもーもんな。絶滅危惧種の仲間入りはしてねーども、このカモフラージュ作戦で盗掘されにくいんだべな。
シダ植物とサイハイラン
 花は少ながったども、鳥はいっぺえ出たな。シジュウカラ、ヒガラ、コガラ、メジロといった小鳥の群れ。アカゲラ、コゲラ、ホオジロ、カシラダカもけっこういる。カワセミ、ヤマセミも出た。ホオジロとメジロはさえずってだっけ。晩秋がら冬は、春に次ぐ野鳥の季節だな。
 サイハイランの実を割って、なかの種子を撒いでみだ。種子は、ばーか、細っかくて、小っちぇ。ほかのランの種子も、細っかくて、ほこりのように飛散しっちもう。だども、このサイハイランの種子には、両側にひものような翅?がある。これでもって、遠くまで種子を飛ばすあんであんめーが。そうだったら、本日の初知見!
 サイハイラン種子の写真です。真ん中が膨らんだ紐みたいですね。表面にケバケバがついていてひっかりやすくなっているようです。真ん中の膨らんだところに、うっすらと色がついていて、いかにも中心部という感じがします。ここから根や芽がでるのでしょうか? 平たくはないので、プロペラのように風を受けて飛びやすい形にはなっていないようですが、そもそも小さいので、これでも風に乗っていけるのかもしれません。 (高原 豊)
サイハイランの種子